「古伊万里花草紋赤絵三段丸重」と「美濃焼龍峯窯赤絵二段角重」

【古伊万里花草紋赤絵三段丸重】
古伊万里の小振りの三段丸重です。花草紋赤絵ですが、一段目は染付と赤絵の洒落た組合せ。蓋の中央には朱文の角陶印が、読みや窯元は不明。
三段重の高さは１０ｃｍ、直径は７ｃｍ程度と小振りの比較的薄作りの陶器で、薬味や珍味の小重鉢（箱）を想像しますが、当時の用途は化粧道具の「白粉（おしろい）入」、水に溶いた白粉を肌に刷毛でぬる際の容器として使われたと説明が。江戸時代に使われていた「白粉入」かも分かりません。

骨董であり汚れや製造由来の傷と思われる小さな穴の跡などは見られますが、使用によって生じたと思われるキズ、欠け、ヒビなど、また絵付けの劣化などもほとんど見られません。
また、蓋裏の黒い汚れ跡がありますが、何によるものかは分かりません。

大きさ（ｍｍ）や重さは、およそ次の通りです。
各段内径７２、蓋外径７７／高さ下段４３、中・上段２５、蓋１７／三段重高さ１０３、重さ２７０ｇです。

【美濃焼龍峯窯赤絵二段角重】
陶（裏）印「龍峯（りゅうほう）」のある、三洋陶器美濃焼龍峯窯の綺麗な赤絵の二段正角の小重鉢（箱）です。
三洋陶器は、１９４５創業の美濃焼の産地岐阜県土岐市の陶磁器メーカ。「龍峯」ブランドは、織部などの技法を現代に活かした食器と紹介されています。
昭和時代の製品だと思いますが、時期は分かりません。汚れやキズ、欠け、ヒビなどはほとんど見られず良好な状態の小重鉢（箱）です。

大きさ（ｍｍ）や重さは、およそ次の通りです。
各段内５７角、外６４角、蓋外６７角／高さ下段上段３４、蓋８／二段重高さ７０、重さ３１０ｇです。

三段重古伊万里、二段重美濃焼、それぞれが江戸期、昭和期と時代を超えた焼き物ですが、三段重は汚れは見られるものの、三段重、ニ段重とも損傷はほとんどなく状態は良好です。小振りの重鉢（箱）、もちろん化粧道具には不向きですが、洗浄の上、食卓に出す佃煮や珍味、薬味入れなどにお使いいただき、時代や彩りも味わっていただければ幸いです。

「追記」画像写真２枚目の二段重上段側面の丸内は金色です。写し手が上手くなく写真写りがイマイチな点ご容赦下さい。