佐々木悠介『カルティエ＝ブレッソン　20世紀写真の言説空間』、水声社、2016年

2016年に出版された気鋭の研究者による大変充実したアンリ・カルティエ＝ブレッソン論です。シュルレアリスムとの関係、あるいはフォト・ジャーナリストとしての活躍、「決定的瞬間」という神話化された概念の発信者など、カルティエ＝ブレッソンには多くの顔があり、その後の写真世界に与えた影響は計り知れません。本書がそのカルティエ＝ブレッソンについて日本語で読める最良の文献であることは間違いないことと思います。その議論の広がりは、比較文化論的・社会学的な側面も孕んでいて、カルティエ＝ブレッソン本人だけではなく、20世紀のジャーナリズムと美術の関係、あるいはポストモダン的な写真論などに関心のある方にとっても、読み応え十分の著作かと思います。

新品のままに保管されていた一冊で、どこにも目立った傷や汚れや書き込みはなく、出版社の読者カードも挿入されたままで、カバーは薄い透明ビニールによって保護されています。写真でご確認ください。

重要な研究書であるにも関わらず、もはや入手が難しくなっているようで、高騰している一冊ですが、お求めやすい価格に設定いたしました。参考までにアマゾンへのリンクを下に貼っておきます。

https://www.amazon.co.jp/カルティエ-ブレッソン―二十世紀写真の言説空間-佐々木-悠介/dp/4801001971